トーマの休日 ~Toman Holiday~

映画&音楽を中心に

"詩"的お気に入り映画たち

 

 

裸の聖母が 君の行く道を照らすだろう。

燃えさかる蝶を使って

 

 

(生と死のカーニバル、"カーニバル"はホドロフスキー映画に共通するテーマの一つ。上の画像より映画の予告映像へ飛ぶ)

 

 

 

昨日の記事にて今年最後の投稿宣言をしたのだが、嘘をついてしまった。いやまだまだ書きたいこと、つまり自分が体感した伝えたいことがあった。

12月初めに私の大好きな映画監督の一人、そしてこのブログ本格的な文章第一弾として取り上げた"Don't think, feel!!"映画監督である、アレハンドロ・ホドロフスキー(Alexandro Jodorowsky)の新作を観に行ったのだ。

 

 

御存知の通り毎月1日は映画の日だ。この日になるべく予定を合わせて観たい作品を絞り、映画館に足を運ぶ……ようにしたいが今年はあんまりそう出来なかった。私がこの上映情報を見つけたのは確か3,4か月程前のことだ。いつも映画館に行くと、自分がビビッときた新作映画のチラシを必ず持ち帰るようにしている。このときはジムジャームッシュ監督の「パターソン」を観たときだった。その上映前にチラシコーナーを覗いて、ホドロフスキー新作のチラシを観たとき、驚いて思わず声をあげてしまった。本編よりもそちらのポスタービジュアルの方に気がいってしまったのだ。

新しい自伝的映画やドキュメンタリーのことで話題だったから観たいとは思っていたのだが、まさか、こんな超ハイペースで次作が出来たなんて…これは観るしかないとチラシの内容を読んで決意した。

 

 

  

 

ここではこの燃え盛るような映画の感想や私なりに考えたことを山ほど書きたいのだが、残念ながらそこまでの語彙力と文章力が足りていないので少量。また、この自伝映画がシリーズの2作目にあたり前作「リアリティのダンス」を未鑑賞だ。これを見たらまた違った見方が生まれるだろう。一先ず、少しだけ記すとして前作を見てからさらに詳しく書いてみたいと思う。

 

 

 

"Endless Poetry" 

 

強烈。2文字でこの映画を観た誰もが共感するだろう。強烈な暴力と性描写、強烈な個性をもつ登場人物たち、強烈な監督の頭の中のファンタジー。自伝的ストーリーにも関わらず、リアリティに縛れない、アナログ趣向でホドロフスキー自身が体験した青年期を描く。サイケデリック極まりない魔法に酔いしれる大作。90手前の映画人とは思えないエネルギッシュな、虚実交じりの自伝映画が生まれた。

後で劇場パンフレットを読んで知ったのだが、主人公の母を演じるパメラ・フローレスという女優さんが、詩に目覚めた主人公に影響を与える大胆不敵な巨漢女の怪女ステラも演じていて、物語中1人2役こなしていたことにビックリした。演じ分けるとはこういうことかと。強烈。

 

 

 

 

……& "Paterson"

 

 

 8月末に前述の通り映画パターソンを観たのだが、比較するのはナンセンスと思いつつ、エンドレスポエトリーの方が良かったのじゃないかと思う。

私が比較した理由として両者とも私の好きな映画作家でもあるし、カルト的人気者かつ現役で作品を発表している奇才・映画人だからだというのが挙げられる。が、それらの理由よりも決定的な理由が、どちらの監督新作も『"詩"を基にして映画を作っている』という点なのである。チリ人故に幼い頃から詩に興味を示し、映画を作り始めた頃から作中にて詩に対する愛情を示し続けてきたホドロフスキー。監督デビューから映画に詩を取り入れ、それによって彼特有の不思議な魅力を作り続けてきたジャームッシュ。2人の原点は詩だ。言語や形式が違えど同じ"詩"を愛している。それが長年世界中のファンを虜にしてきた要因の一つではないかと思われる。私もやっと詩というものに惹かれ始めてきた。これも彼らのお陰である。

 

 

 (この画面の間の取り方が詩を意識しているような気がする…深読みし過ぎか。そして、この永瀬正敏さんがどうしても岡村ちゃんにしか見えない…岡村ちゃんの見過ぎか。)

 

 

そして彼らによる2つの最新作を眺めてみると、同じ"詩"を根底としているのにこんなにも味が変わるのだなと痛感した。「エンドレスポエトリー」はアレハンドロ監督の魅力が元気に飛び散るのに対し、「パターソン」は場面一つ一つがあまりにも冗長すぎたように見えた。先程「エンドレス~」の方が良いと書いてしまったが、違うな、「ホドロフスキーの感性の方が今の自分には合っている」と訂正しておこう。パターソンを久々にネットで調べていたら、また観たくなったからだ。アダム・ドライバーの素の演技が良かったし。SW EP.7のカイロレンの演技・イメージが強くてパターソンを観ていてホッとしたのを覚えているぐらいだ。結局、どちらもオススメだという結論に至った。