トーマの休日 ~Toman Holiday~

映画&音楽を中心に

ホシノでございま~す! ~星野源とサザエさんが繋がる理由~

 

 

 

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遂に、出た…!

 

 

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おげんさんこと星野源氏の新曲がもうすぐ発売される。タイトルは「Family Song」

詳しいことは下記URLから読める高橋芳朗氏の解説をチェックしていただきたい。今回は高橋氏の解説も踏まえつつ、この曲にまつわるエトセトラをどんどん紹介していく。

 

 

 

↓高橋さんの解説、非常に分かりやすい…一度チェックを

www.hoshinogen.com

 

 上記の高橋氏は「Family」という言葉に着目している。この言葉はブラックミュージックではお馴染みであるそうだ。それを主題にし、そこから繋がって日本の古き良き家族の姿であるサザエさんを連想させるMVとなったのだ。

だがもう一つ、星野源サザエさんを結びつけるものがあるはずだと私はこの曲を聴いて、そしてMVを観て考えた。今回はそれを紐解いていこうと思う。

 

 

 

初めて聴いた瞬間、思わず「おやっ?」とひねった。何だか今回はいつものと違うぞと。この違和感の1つはテンポだ。聴いての通り、踊るってみるには遅すぎる。実際、源さん踊らずただ歌いながら家事をこなしている映像が流れる

次に星野氏は女装している。サザエさんの格好だ。この主題歌が使われているドラマのヒロイン、高畑充希は男装をしている。藤井隆も女装だ。

そして、この撮影セットの家全体が淡い桃色で覆われている。「SUN」以降イエローミュージックを掲げて黄色をイメージカラーにしていたはずだ。

こんな風に今までと少し趣向を凝らした曲や演出をしているのがわかる。勝負に出たな、と私勝手ながらそう感じられずにはいられなかった。星野さん本人はどう思っているか分からない、推測の範囲だが、新しい自分を見せようとしているのに違いない。

 

 

ただここで注意したいところは、あくまでそれは見せ方の問題であって中身は星野氏が愛してやまないブラックミュージックやソウルミュージックに根差していることだ。例えば、この曲のイントロが顕著であるといえる。彼が「うぅ~♪」と口ずさんで真似しているのがMarvin Gayeだ。既"聴"感を感じたのはアイドル時代のマーヴィンの名曲から引用しているからだと思える。歌のテーマとしてげんさんの頭の中にはマーヴィンのイメージが最初からあったのだと思える。それは他にも曲の遅いテンポやダンスなしのMVの演出からでもわかることだ。

"Friend Ship"のBarry White感でソウルなところも垣間見せていた源さん。今までの"SUN"や"Week End"が示していたMichaelのようなダンスチューンも得意だが、このMarvinのようなソウルフルな一面も挑戦したかったのだろう。("恋"のB面=Drinking DanceはMarvin臭いと思ったが果たして…!)

 

 

(ソウルミュージック界のアイドルにしてスーパースターことMarvin Gaye)

 

 

今回星野氏はMarvinを意識した、ソウルミュージックとイエローミュージックの更なる融合を試みた。それは、ブラックミュージックの中には"踊る"という表現技法の他にも"ソウルフル"という表現もあるということを提示してくれた、ということでもある。それこそソウルフルの"ソ"の字がない=ウルフルズや今年往年の王子様サウンドを聴かせてくれた小沢健二フジロック2017でのライブ映像もYouTubeにも挙がっていたが、私も行きたかったなぁ…)、などなどのアーティストたちにも繋がる。

 

彼らの憧れたマイケルやマーヴィンの所属していたレコード会社がMotownであることはよく知られてる。その親しみやすいメロディーと凝った生演奏の音は「モータウン・サウンド」と呼ばれ、あらゆるポップスやロックに影響を与えた。まさに伝説の黒人音楽レーベルなのである。有名なの一曲挙げれば、ベースが超印象的なシュープリームスの「恋はあせらず」がある。このベースラインは広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」や斉藤和義の「歩いて帰ろう」、プリンセス・プリンセスの「ダイヤモンド」といった邦楽ポップスでもふんだんにオマージュされている。このようにここ日本でも例外ではなく、歌謡曲の音はいかにもモータウンだともいえる。

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(♪ デッデッデー、デッデッデデー =通称:モータウン・ビート)

 

(泣く子も黙るモータウン、のロゴマーク。その流通戦略は驚愕的)

 

モータウンの音楽から形作られてできた、邦楽・歌謡曲を支えていたのが、かの有名な筒美京平氏だ。

日本の歌謡史を遡れば避けては通れないこの名前。名作曲家だ。1960年代から曲を作り始め70から80年代にかけて数多くの名曲たちを世に送り、今でも現役で活躍中という大先生である。

彼は実は大のモータウン好きであり、自分の手掛けた作品の多くにそのエッセンスを入れてある。例えば、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」や麻丘めぐみの「わたしの彼は左きき」等々の名曲にもモータウン・サウンドを再現させている。そういえば、小沢健二の「強い気持ち・強い愛」も共作として作曲していたなぁ。

 

(筒美京平氏)

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筒美京平氏のモータウンオマージュの極めつけはあの曲である。あの国民的アニメの主題歌である。そう、サザエさんである。

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(毎週日曜日に聞いていたのに気づかなかった、筒美京平氏作曲だったのか。)

 

イントロのギターフレーズ(この事実を知るともうFunkyに聴こえる 笑)、美しいストリングス、絶妙かつ印象深いフルート……確かにモータウン・サウンドを意識している!実は、毎週日曜日のこのエンディングテーマ(OPも筒美京平先生作曲)を聴いて育った、我々日本人にとってモータウン・サウンドは馴染み深いものだった…!ということがわかる。サザエさんの主題歌は、もはや現代の日本人にとって、日本人の心のソウル(=魂・心)ミュージックであるのかもしれない。

 

 

星野源から、モータウン筒美京平を経由し、サザエさんに行きついた。ソウルミュージックと邦楽・歌謡曲を振り返るとみえてくる繋がり。ブラックミュージックも歌謡曲も好きな日本人=星野源だから、歌手としてサザエさんに扮して歌うのだ。

 

 

 

 

 

 参考文献

www.rittor-music.co.jp

もうお気づきではあると思うが、こちらのギターマガジン様にお世話になった。この雑誌のモータウン邦楽のコラムを読んで、「Family Song」のMVを観て、ブログ記事を書こうと決めた。

 

 

 追記

「今度はピンク色かぁ…」と思った瞬間、「あれ?岡村ちゃん!?」とも思った。靖幸ほど派手な桃色ではないが、源さんはきっと岡村ちゃんも意識しているに違いない(!?)