トーマの休日 ~Toman Holiday~

映画&音楽を中心に

コンプトンは何処だ?

 

 

 

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Straight Outta Compton - Official Global Trailer (Universal Pictures) HD - YouTube

 

去る5月の初めに、私は「Straight Outta Compton」を観た。80年代後半から90年代初頭にかけて活躍したHip Hopグループ N.W.A(Niggaz Wit Attitudesの略称)が結成から、(FBIをも敵に回すほど若者に支持され)米国音楽シーンの頂点に立ち、その後メンバーがバラバラになり、Eazy-Eの早すぎる死まで描いた音楽伝記映画。本国アメリカでは全米興行収入3週連続1位を獲得するなど、あのJBの伝記映画に続いて近年の音楽映画を代表する作品になった。だが、こちら日本では一部のhiphopファンや映画ファンの間でしか話題になってなかった印象。実際、私がこれを観た映画館も メジャーなTOHOとかではない、こじんまりとしたところであった。ここ最近話題沸騰中の「フリースタイルダンジョン」など日本hiphop人気の影響でもっと盛り上がっても良いのでは?と悔やまれる。6月3日にBlu-ray&DVDが発売されたので、未視聴の方はそちらをご覧になってほしい。

 

さて、この映画を観た直後に私が書いたメモに沿って語っていこう。

 

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1

ブラックミュージックの歴史においてHipHopもその重要事項の1つ。私は(何故か)HipHopを避けてきたが、このN.W.A.の伝記映画をきっかけにどんどんと聴いていこうと思う。

 

実際今でも聴いている数がしれているのでHip Hopファンと堂々と名乗れないが、この作品鑑賞の後で確実にHip Hopにも耳を傾けるようになった。

 

 

2

前半の山場、FBIに演奏禁止を指示されても尚歌った Fuck Tha Policeのライブ場面、あそこで泣けた。あとラストも、感極まる。
それもそうだが、ラップ下手だったイージーE兄貴の初レコーディング場面で、殆どの観客が笑っていた(笑)

 

3

NWAの曲は2曲しか知らなかったのだが、サンプリング元である、RoyAyersやPFunkの歌も挿入歌で掛かっていてテンション上がった。
また、ケンドリック・ラマーやエミネム、2パック、スヌープ・ドッグらによる言葉も映画に花を添える。

 

映画の内容に踏み込もう。前半は結成の裏側、名曲の誕生秘話などがトントン拍子で語られる。その際上記メモの通り、ParliamentのFlashlightやFunkadelicKnee DeepやRoy AyersのEverybody Loves The Sunshineといったサンプリング元として有名な曲も、彼らN.W.A.を代表する曲も流れる。

特筆すべきところは、やはり中盤のFuck Tha PoliceのLiveシーンだ。彼らの怒りやライブの熱狂が一体となった名シーン。FBIに連行される途中で、涙が出た。色んな感情が入り混じっていて説明しづらい。

 

 

4

人種問題は観てる我々も"辛い"と感じた。この問題が今も変わらず残っているのは本当に残念であるし、多くの人々が知るべきことだと思う。映画は訴えて、伝えて、なんぼ。

 

5

人種問題もそうだが、主に黒人に対する警官の暴力行為がずっと今も昔も変わらず行われ続けているのが本映画の伝えたいことの1つだったと思う。

 

我々日本人があれこれ言う立場ではないし大きなことは言えない。だが、それを知ろうとすることはできる。この映画でもJBの映画でもスパイク・リー作品でも知ることができる。時代背景を知り、映画や音楽を観たり聴いたりするのはさらに深みが増すのでは?と思う。

 

 

 

 

 

 

 

  

Where is "Compton"?

 

 

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https://vimeo.com/156180581?ref=em-share

 

 映画のエンドロールにて、色んな著名人が彼らに対してコメントをしている。これはグループが多くの人々に影響を与えた証拠だ。その中の1人、同じくコンプトン出身で今最も人気ラッパーの1人であるKendrick Lamarのコメントも収録されていた。名作「To Pimp A Butterfly」を昨年発表した若きアーティストだ。そのアルバムがグラミー賞にノミネートし、彼はステージで素晴らしいパフォーマンスをした。私も観たのだが、あれはグラミー史上1,2を争うほどの名ステージだと確信している。こちらも是非映画と一緒にご覧になってほしい。Liveの最後、ケンドリックの超絶高速ラップ(これが鳥肌もの!)の最後、上の写真、アフリカ大陸の中央に書かれたコンプトンの文字が浮かび上がる.....。

 

アフリカが俺らのコンプトン.....恐らくN.W.A.に対するトリビュートのメッセージでもあるし、彼らAfrican-Americanのルーツを改めて示しているようにも捉えられる。

常に彼らはアフリカを目指しアメリカで暮らしている。果たして彼らのルーツはアメリカなのかアフリカなのか、それが常にあるようだ。

近年の黒人アメリカ事情も甚だ遺憾なものである。まるでキング牧師マルコムX公民権運動の時代に戻ってしまったかのように、一進一退を続けている。Princeも「Baltimore」という名曲も発表して死に、Beyonceも新曲「Formation」のDanceで物議を醸した(FreedomでKendricと共演)。その延長線上でケンドリックが示したメッセージは今のアメリカに強く突き刺さっている。確実に。

 

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