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トーマの休日 ~Toman Holiday~

映画&音楽を中心に

聖なる山を目指そう

映画

  

 

 

 

 

The Holy Mountain (1973)

Directed by Alejandro Jodorowsky

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ある錬金術師が2人の女(マリリン・モンロー風の)の髪を剃るところからこの映画は始まる。磔にされる半裸の主人公が小人に助けられ共に行動する。道中主人公を模した大量のマネキンが登場したり、水商売をしているような女性に出会ったりと淡々と物語は進んでいく。蛙の見世物のあと、主人公は奇妙な黄色い塔を登ってそこにいる先程冒頭で述べた錬金術師に出会う。そこでその錬金術師が主人公の排泄物を黄金に変えたことで、主人公は彼の弟子になることを決意。あと7人の賢者...世界一と呼べるようなお金持ちや権力者、軍人、芸術家たちなどを弟子として集めさせて、不老不死の秘法が眠る〈聖なる山〉を目指して修行する。そして、人間としての欲や名誉を捨てて、錬金術師は主人公を含めた弟子たちを引き連れ〈聖なる山〉を登る。

 

 

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上の画像は、2人の女性が錬金術師に髪剃られる冒頭シーン。もうこの時点で拒絶反応を示した方は、恐らく今回の登頂は成功しないだろう。なぜなら、この冒頭から中盤までは奇々怪々サイケでグロテスクな映像のオンパレード、だからだ。鎧を着させた蛙による戦争劇、磔にされた大量の犬の行進、無数に集まる虫に襲われる弟子の幻想、大袈裟な睾丸搾取シーン、サイケデリックなロボットとの性行為 等々...数え切れないほどの異次元なシーンの連続。そこに物語が乗っかっている、そんな印象。

 

だが、中盤から終盤にかけての聖山登頂の場面は一転して地味である(まぁなんだかんだ言って気持ち悪い映像が大量に挿入されるが)。あるサイトでは、川口浩探検隊のようだと書かれていた。私も嘉門達夫氏による名曲(?)「ゆけ!ゆけ!川口浩!!」でしか知らないのでよく分からないのだが、何となく察せずにはいられない。どちらも分からない方は、1度歩を休めて検索して頂きたい。

 

遂に山頂に到着。ラストのオチが相当私には衝撃で、文字通り開いた口が塞がらなかった。何というか映画を超えたような、みんなやってるような、でも観たことがない結末が待っているのだ。今後これを観る方々には予め伝えておくが、凄まじい影響を与えることになるのは間違いない。

 

 

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上の画像:映画 ホーリー・マウンテンより主人公と錬金術師との遭遇の場面

下の画像:昨年2015年に発売されたアルバム「葡萄」より、サザンオールスターズアロエ」のMusic Videoの1シーン

 

 

 

さてはて。この映画を観たのは、もう約1年前のことになる。初登頂を成功させてからまだ2回目はないのだが、またもう一度再登山したくなるのだ。TSUTAYAでパッケージ借りをして、部屋の電気を消して深夜に観たこの作品には私としては思い入れがあり、TSUTAYAの発掘コーナーで目にするたびに また観たいという気持ちにさせるのだ。監督はかの有名なエル・トポ (著者未鑑賞)を世に放ったアレハンドロ・ホドロフスキーであり、あのジョン・レノンミック・ジャガーなどの大物アーティストたちを熱狂させたことでも有名な張本人。確かにこの人が作る映画はゲテモノ...いわばZ級映画だ。しかし私は感じた、これは面白い。グロがエロになり、エロがグロになるような感覚にさせる力を持っている。これを超えるような作品が今後現れるか、今のところ分からないが、1,2を争うほど好きな作品だ。

 

 

※余談 「アロエ」を手掛けたデザインスタッフの中にはもしかしたら あの錬金術師の弟子がいるのかもしれない...